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July 30, 2005
GRINNING SLIM 6
コーヒー色の肌の女が、ドアを開けた。グリーンと真珠の色でまとめられたロビーへ足を踏み入れた。純白のフロントデスクのむこうには、コットンクラブの踊り子みたいな浅黒い肌の女が座っている。その前を通りすぎ、砂地獄のように足が沈む絨毯の上を歩いた。女は、完璧な銃口っぽい瞳をぱちくりした。彼女の声は、絹のようなアルト。
「こんばんは、どうかいたしましたか?」
「スチュワートとランカスター。ジョーンズ氏に会いにきたと伝えてくれ」
と《トップ》。女は、交換台にいる年上の黒人女のほうへ向き直った。
「ペントハウスのお客様です。スチューワト様と、ランカスター様です」
黒人女は、皺だらけの首にかけたイヤホンを耳に当てた。プラグを差して、喋っている。やがて、デスクの女に頷いた。彼女の瞳が、またぱちくりした。
「お待たせいたしました、ジョーンズ氏はご在宅です。おふたりにお会いになります」
ぼくは、《トップ》の後についてエレベーターへむかった。タイトなグリーンの制服に身を包んだ女が、15階のボタンを押した。やがて真鍮のドアが開いた。金の絨毯が敷かれたエントランス。そこだけで《トップ》のリビングよりも広かった。
金ラメの服を着た痩せっぽっちのフィリピン人が、こちらへ向かって歩いてきた。笑顔を浮かべ、頭を下げた。怪我をしたカラスみたいな髪の毛がはりついている。頭上のクリスタル・シャンデリアの光を反射して、金のスーツが光り輝いていた。ぼくの帽子を受け取ると、真珠の帽子かけにかけた。
「こんばんは、こちらへどうぞ」
ぼくらは、彼の後についてリビング・ルームのほうへ。まるで、アラビアの城のようだ。大きな噴水。水がでてくるところから、緑色のビームが発せられ、女の石像の横顔を照らしている。石像は子象のように大きい。赤いライトが光り、目はまっすぐに前を見つめている。巨大な手で両方の乳房を掴み、大きく開けた口の中に押し込んでいる。そして、ひたすら泉の中へ小便をたれているのだった。
投稿者 Dada : July 30, 2005 05:00 AM