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November 14, 2005
STABLE MOVES 4
ママは、ロマンスを実らせ、お金のこともかんがえて、ロスアンジェルスへ移住した。毎週のように電話してきて、訪ねて来て欲しい、といった。しばらく滞在して、新しいお父さんにも会わせたいから、って。でも、カリフォルニアのヘロインは純度が6パーセント、なんて噂があった。ピンプは面白半分で、ピンピンしがいのない土地らしかった。
西海岸へいってカッコついたピンプなんて、いない。だいたい、引き揚げてくる。なんでも、ホーはぐうたらで、お小遣いを稼ぐくらいらしい。西のピンプがヘボすぎるよ。
だから、ぼくは自分自身に、「西はない、ない」と言い聞かせていた。訓練したホーたちを、わざわざ危険で面白半分なシーンに連れて行く理由がない。糞ド田舎で、ファミリーを失いたくない。
34才になっていた。カタギの職業だって、自分なりのやり方を確立している年齢だ。ピンプとしても、上の世代になっていた。女たちには、ストリクトリーにせっしていた。
このころ、レイチェルが、ステイブルの中に泥棒女がいる男が街に来て、リリー・アンとか、ペトロセッリのスーツを20パーセント引きで売っている、という話を伝えた。翌日には、その男の電話番号を教えてくれた。
電話して、ストックを見せてもらう約束をした。大事な用事のときしか、アパートを出ないようにしていた。行く前に、フレッシュな服に着替え、一服してから出かけた。
男は、イースト・サイドの安ホテルにいた。3部屋ある室内におかれた衣装ダンスに案内しながら、こちらの経歴を、うやうやしくチェックしてきた。
「アイスバーグかい? ハ? 昔、同じ街に住んでたよ。フィリス、いい女だったね」
ぼくの名声と、シカゴでピンピンしてたことを知ってた。
「イエス、アイスバーグさ」
「レッドアイっていたよね。かれはどうしてる? ニューヨークで一度、見たんだ、先月かな。あいつもピンピンしてたなあ。あんたなら、知ってるだろ?」
ぼくは、オカマを見る目で見てしまった。
「おい、よく聞け、ジャック。ブルシットやめろや。レッドアイなら知ってるよ。先月、見た? 医者に行け。どうかしてるよ。あいつは、5年前にピッツバーグで人を殺し、逮捕された。今ごろまだ、刑務所だぜ?」
男は、鼻水をいっぱい飲んだようなキモイ笑いを浮かべた。体のサイズを測り終えると、自分の部屋でクールしてくる、と言って、通りの反対側にある建物へ行ってしまった。
小さなベッドルームを眺めた。裸の女が寝ていた。
「おや、どんなタイプの犬だろう」
ベッドまでいき、見下ろした。へべれけに酔っ払い、ストーンしてるようだった。チビのビッチみたいだ。ポッチャリして、太り気味だけど。確認する方法がある。ハンガーのムチで流血させた傷あとだ。まだ、消えてないはず。女をひっくり返し、腹を見た。そこには、バッチリ傷があった。
投稿者 Dada : November 14, 2005 06:00 PM